喫煙と歯周病について
院長の遠藤です。
今回は喫煙の影響についてです。
2019年の国立がん研究センターの調査では、喫煙率が高い上位5県に男女とも福島県が登場しています。
喫煙は肺がんや口腔がんなどの悪性新生物、心疾患や脳血管疾患などのリスクファクターとして知られている一方、歯周病における環境面からみた最大のリスクファクターでもあります。
喫煙は歯周病の発症や進行、治療の効果の低下に大きく影響することが報告されています。
特にニコチンは歯肉の微小血管系に影響して血流量の低下や低酸素状態を引き起こします。
したがって、歯周組織は破壊されているにもかかわらず、歯肉からの出血や腫れなどの自覚症状が見かけ上抑制されてしまうため自覚症状が乏しく気が付かないことが多いのです。
同様の理由でインプラント治療や抜歯後の治癒にも悪影響を及ぼすことが報告されています。
禁煙すると歯肉の状態が回復し、免疫や細胞のはたらきが高まるため、歯周病のリスクが低下し治療効果が上がることが明らかになっています。
歯周病へのかかりやすさは4割減少するとの報告もあります。ある程度進行した歯周病であっても禁煙は有効であるといわれていますので、禁煙の実行に遅いことはありません。
歯周病は自覚症状が出てからでは、十分な回復が望めない場合が少なくありません。
喫煙される方、そのご家族の方など歯周病が心配な方は早めにご相談ください。
投稿日:2020年10月17日 カテゴリー:お知らせ, ブログ